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レジのお話

 



 レジの話をします。
 電気製品ですが家電量販店で見かけることはありません。でも、とっくの昔にコンピューターを相棒にして、ネットを利用しているIT機器です。
 今までマック部で話題にならなかったのが不思議なくらいの、高性能^^
 あ、前言撤回、家電量販店でも見かけますね。お客さんが商品を持って行って、お金を払うあの場所に並んでます。あのレジは、事務所のコンピュータにつながっていて、ネットを介して本社のコンピュータにもつながってます。これくらいの話は言うまでもなく、常識ですね。余計な説明でした。
 ここでいきなり、レジを使う人しか知らない、心ときめく高性能な話をしたくなりますが、レジを使ったことない人のために、まずは、あんまり高性能じゃないレジのお話をします。

◾️レジの基本
 キャッシュレジスター、レジスター、そんな長い名前は呼びにくいから、もう簡単に2文字で「レジ」。お店の営業時間中の現金の管理のための計算が得意な機械です。
 商品価格の合計を出して消費税を加えた金額を示し、お客さんから預かった金額との差額、お釣りの金額を計算して、レシートをを発行します。
 それと同時に、レジを打った内容を記録します。返品も、値引きも、打ち間違いの訂正も、レジ操作のすべてが記録されています。
 閉店後、「レジしめ」とか「レジあげ」と呼ばれる作業をすれば、一日の集計がレシート用紙に印刷されて出てきます。一日の売り上げの合計はもちろん、部門ごとの売り上げ、クレジットや商品券などの合計、客数など、いろいろ集計された数字が出てきます。
 




 そんなレジの最小限の機能を持っているのがこのタイプのレジです。さっき話した「レジ操作のすべて」は、レシートにも使っているロール紙に記録されます。左上の部分が開くようになっていて、レシート用のロール紙と記録用のロール紙が並んで入ってます。

東芝テック株式会社
メーカーの説明をみると、具体的な便利さがよくわかります。

マサキストア
販売店のページで、他のメーカーのレジも比較できます。値段もわかります。

 1店舗でレジが1台だけならこんなレジで十分ですが、レジが何台もあるお店や、何十店もあるホームセンターなどでは、とても不便です。
 もっと便利に!! 
 色々なデータがすぐに欲しい!!
 正確で細かいデータが欲しい!!
 そうなると、当然のようにコンピュータとネットの出番です。それと同時に、それらをうまく管理する仕組みも必要になります。
 今ホームセンターで使われているポスレジの見た目は、上の写真のレジと大きく違います。レジ係用のディスプレーはタッチパネルになっていたり、周辺機器をいろいろ従えて大きく場所をとる機械です。

◾️POSレジと在庫管理
 point of sales、略してPOS日本語で「販売時点売上管理」と呼ばれる機能を持ったレジがあります。その名もPOSレジ。
 商品についてるバーコードをピッとスキャンするだけで、商品の価格が加算されます。手で数字を打ち込まないので、価格の間違いがほぼなくなりました。レジを打つスピードもかなり早くなりました。
 レジ係の精神的負担が大幅に軽減されます。
 それだけでなく、商品が売れたことが瞬時に事務所のコンピュータに知らされます。そして「本日の売上」データと「商品の在庫数」データが、更新されます。
 営業時間中にときどき店長が事務所のパソコンで売り上げを確認して、にんまりしているのです。ときには、半泣きだったりもしますww
 現時点の「商品の在庫数」が確認できることも、とても重要なことです。
パソコンで在庫数を調べれば、店頭には見本しかないけど倉庫に持っていることがすぐにわかります。あるのかないのかわからない商品を、薄暗い倉庫で探すストレスがなくなりました。ついでに他店の在庫も確認できるようになっているので、電話で問い合わせるという無駄な時間もなくなりました。

◾️支払いの方法
 話をレジに戻しましょう。
 バーコードをピッとスキャンして、スキャンして…、全部スキャンしたら「小計」ボタンを押します。すると、商品代金に消費税を足した金額がディスプレーに表示されます。



 多くのお客さんは、現金での支払いですが他にも支払い方法があります。クレジットカード、商品券、値引き券、割引券、株主優待券、ポイントカードのポイント、電子マネーなどです。
 値引き券や割引券の中には期間限定のものがあったり、手持ちの現金と残りはクレジットで支払いなど、組み合わせて支払うこともできるので、支払い方法は複雑です。
 その複雑さを、簡単な操作で解決してくれているのがレジのタッチパネルです。「小計」ボタンを押すと支払い方法が選択できるようになっています。不足があればさらに選択して、残額の支払い方法を決められます。出てきたレシートには、支払い方法が記載されているのでお客さんにもわかりやすくなっています。
 レジ係にはありがたい機能です。

◾️自動釣り銭機
 今は色々な支払い方法があるものの、一番多いのは現金です。
 人がレジの操作をしている以上、間違いは避けられません。その日は万全の体調だったとしても、2時間レジを打ち続けたら、集中力もなくなってきます。黒く汚れていたら、100円玉が10円玉に見えたりします。外国の硬貨やゲームのメダルが紛れていることもあります。横から話しかけてくるお客さんもいます。思い込みや勘違いは、どうしても避けられません。
 だからといって「マイナス10円くらい、いいよね」とか「1000円多いけど、仕方ないよね、返しようがないしね」と考えるお店は一つもありません。お店の信用をなくしてしまうかもしれない、大問題です。

 そんな大問題を解決したのが、自動釣り銭機です。預かった現金を入れるだけで、金額を確認して、お釣りを計算して現金が出てきます。
 一応、現金を入れる前に預かった金額を確認しますし、お釣りを渡す時は、お客さんの前でお札も小銭も数えて間違いがないことを確認しますが、ほぼ問題はありません。
 ひどく汚れた硬貨が出てきたり、釣り銭機に100円玉がなくなったら50円玉で出てきてしまったりすることもありますが、ごく稀な話です。
 それと、現金をレジのドロワー(引き出し)に入れているより、安全になりました。通常通りレジを打っていたのに、ドロワーが開いた途端、買い物客が強盗に豹変して、現金をごっそり取られてしまう可能性がなくなりました。
 おかげで、レジ係のストレスがさらに大きく減りました。

 最後に、データやコンピュータに頼らない、昔ながらのやり方にがどんな問題があるのかを書いた文章を見つけたので紹介します。老舗旅館の話なので、小売業とは少し違いますが、わかりやすく書いてあると思います。(2ページ目)

借金10億円、倒産まであと半年――創業100年の老舗旅館「陣屋」をたった3年でV字回復させた方法
(2ページ目)
簡単にまとめると
・顧客のデータや営業情報が、全女将や営業担当の手帳の中にしかない
・原価管理がずさんでコストが膨らんでる
・食材費や人件費は、月単位で管理のため即時対応ができない
・日々の売り上げは記入しても、長期的な動きや数字の意味を考えない
くらいの話です。

 確かに一昔前は、小売店も長年の経験に基づく、個人の思い込みや好み(あるいは取引先との個人的な約束)や、その場しのぎの判断に振り回されていたように思います。
 けれど、今はコンピュータを味方に、正確で効率的に仕事が進むようになりました。その分コンピュータの指示通り作業できること、コンピュータが理解できないことはやらないことが求められます。
 昔は気にならなかった、息苦しさのようなものを感じる時はありますが、より良い何かを求めて、レジがこの先どんな進化を見せてくれるのか、見届けたいと思います。 

――――――< おまけ >―――――――――

◾️売り上げや現金の管理以外でも・・・
 レジでピッとスキャンすれば、商品の1個1個が売れていくところを管理できます。それなら、仕入れの方も1個1個を機械的に管理できれば、商品在庫の管理がより確かなものになります。
 まだ全ての商品に適応されてはいませんが、ホームセンターでは定番商品の多くが自動的に発注されています。
・自動発注
 発注は毎週1回か2回行われます。決められたある時間で、在庫数が決められた数量以下になっていれば、決められた数量が自動発注されます。
 仕入れ係は発注日が来るたびに、売り場で商品の1個1個の在庫を見て、発注するべきか否か悩まなくてもよくなりました。仕入れ担当者の長年の経験に頼らなくても、適切な仕入れができるのです。
 ただし、よく売れる商品は季節ごとに変化していくだけでなく、近隣のイベントや突然の自然災害、お店の売り出しなどで、大きく左右されます。
 なので、仕入れはまだまだ担当者の「勘」に頼るところが多少あります。
・顧客管理
 商品がいつ売れたのかということと同じくらい気になるのが、誰が買ったのかってことです。店の出入り口にアンケート係を立たせて聞くわけにもいかないので、ここは機械的に情報を集める必要があります。
 そこで利用されているのがポイントカードです。カードを作る時に、お客さんの氏名、生年月日、住所、電話番号を教えてもらいます。レジで支払いの時にポイントカードをピッとスキャンすると、誰が何を買ったのかというデータが集められます。
 この店で買い物する人の年代や、どの程度遠くから来ているのか、月にどれくらい買い物しているかなど、商品の売れ方を見ているだけではわからない店の特徴が見えてきます。
・勤怠管理
 お店に来る人といえば、お客さんばかりでなく、当然そこで働く人もいます。小売店では少数の社員と、その何倍ものパートやアルバイトが働いています。この多勢の出勤と退勤や休日の管理は、コンピュータの仕事です。
 タイムカードはプラスチック製で、ポイントカードと同じ大きさです。タイムカードレコーダーは
パソコンのソフトに変わり、パソコンにつながるカードリーダーで、ピッとスキャンすれば打刻できます。
 たぶん、給料の計算はコンピューターの仕事になってるはずです。
 今は給与明細も各個人がネットで確認できるので、給料日に紙の明細をもらうこともなくなっています。もちろん給料は銀行振り込みです。
 働いて給料をもらってることを、手にとって実感できるものは紙に印刷されたシフト表くらいです。給料日がいつなのかも忘れてしまいそうです(うそw)。

スキャンすれば あれこれできてしまうのダァ!!…というお話でした^^

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