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近日登場! デジタル薬



ある日、テレビから聞こえてきた単語「デジタル薬」

久々に拾ったデジタルねたです。

なんだか未来っぽくて、面白そうです。



01. デジタル薬って何?       


この聞きなれない言葉を、Wikiに聞いてみたら



デジタル薬とは、病気を治療するアプリケーションソフトウェア(治療用アプリ)等の事である。英語では、digital therapeuticsDTx、デジタル療法、デジタル治療)という医療法の事を指す。

認知行動療法等に基づき、うつ病、2型糖尿病、認知症、アルツハイマー病、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、不眠症、高血圧、禁煙や薬物依存治療をサポートもしくは改善を促す。


https://ja.wikipedia.org/wiki/デジタル薬


たったこれだけでした。

まだまだ新しくて、情報が乏しいようです。

なので、具体的に、

日本国内のデジタル薬を見てみましょう。



02. デジタル薬の種類        


多くの企業が、多くのデジタル薬を開発中ですが、

公表されているうちの、その一部を紹介します。


・塩野義製薬  ADHD治療用アプリ

        (米アキリから日本での開発・販売権を取得)

・大日本住友製薬  糖尿病管理指導用アプリの国内治験を実施中

         (SaveMedicalと共同開発)

・サスメド   不眠治療用アプリの臨床試験を実施中



他にもいろいろ

禁煙、不眠、糖尿病、うつ病、多動性障害(ADHD)など、

どれも身近な、多くの人たちが苦しんでいる病気や障害です。

この先、一生付き合っていかなければと思っていた病気が

アプリの力を借りて、病気を気にせず毎日を過ごせるなら、

夢のような話です。



03 実用化してるっぽい       


まだまだデジタル薬の情報には

「開発中」「試験中」などの言葉が並びますが、

一歩進んで実用化あるいは、実用化直前のようなものもあります。


TOMOCO

・田辺三菱製薬   

・糖尿病患者の生活習慣改善

・2018年12月に実証実験開始



これは患者が食事・運動・服薬・血糖値などの日常記録をつけると、

蓄積している重症化した糖尿病患者のデータなどと比較し、

助言が導き出されというものです。

加えて医師は患者の日常記録・検査数値・問診データが

リアルタイムに把握できるので、

患者ごとの課題や推奨する行動計画を策定することが可能です。


生活習慣改善サポート TOMOCO

https://portal.tomoco-care.com


201812月に実証実験をはじめ、今も参加者を募集しているようです。

スマホアプリとして、誰でも使える状態のようです。


そして、これが日本のデジタル薬実用化第1号です。

12月1日に発売されることになっています。


CureApp SC (ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー)

・キュア・アップ   

・禁煙治療

・2020年12月1日から医療保険が適用、販売開始



CureApp SCは、

禁煙外来で治療を受ける患者の院外での禁煙をサポートするために

医師から処方される医療機器です。

本製品は患者用アプリ・医師用アプリ・ポータブルCOチェッカーの

3つから成り立ちます。

患者用アプリには行動療法と呼ばれる禁煙治療のノウハウが

AIとして組み込まれていて、

患者がタバコを吸いたい気持ちの強さなどを入力すると、

AIがその状態に合わせて助言や励ましてくれます。





禁煙するためには

ニコチンに対し「身体的依存」と「心理的依存」の2つの依存から

抜け出す必要があります。

身体的依存には禁煙補助薬が有効ですが、

心理的依存にはいままでの禁煙治療では、

診療時以外に医療者が治療介入することは難しく、

患者様は孤独な戦いを強いられるという課題がありました。

禁煙外来の禁煙成功率は治療開始後1年では30%未満にとどまっていて、

有効な治療法の登場が待たれていました。


121日から医療保険が適用されます。

価格は自己負担の場合25400円、3割負担の場合7620円です。


詳しくは…

心理的依存に効果、

日本初のニコチン依存症治療用アプリが保険適用--121日から処方

https://japan.cnet.com/article/35162338/


タバコ吸わない私は、禁煙しようがないので、

いまいちピンと来ませんが、禁煙を真剣に考えている人には

強い味方になってくれそうです。

ほかにも、この2つとはちよっと違うデジタルを利用した薬があります。



エビリファイ・マイサイト

・大塚製薬とカリフォルニアのプロテウス・デジタル・ヘルス社との共同開発

・成人の統合失調症、双極性I型障害の躁病および混合型症状の急性期、

 大うつ病性障害の補助療法 2017年11月14日 米国FDAの承認を取得


すでに、使われているエビリファイ[1]の錠剤に、

3ミリメートル大のセンサーを入れて、

センサーからの信号で、服用を確認したり、患者の状況を把握するものです。


[1]エビリファイ大塚製薬によって1988年に発見された日本発の抗精神病薬。

          2002年に統合失調症の治療薬として米国で承認され、その

          後に世界各国で広く使われるようになった。日本では2006

          から承認されている。





仕組みは、図の通りです。

この錠剤を服用するとセンサーが胃液に接することでシグナルを発します。

それを、患者の身体に貼り付けたシグナル検出器「マイサイト パッチ」が

シグナル検出し、服薬の日時を記録します。

その後センサーは体内で消化・吸収されることなく、

安全に体外に排泄されます。

この検出器は、患者の服薬データだけでなく、

活動状況などのデータを記録し専用の「マイサイト アプリ」に送信し、

アプリには、睡眠や気分などを患者さんが入力することもできます。

これらのデータはスマートフォンなどのモバイル端末に転送され、

患者の同意があれば医療従事者や介護者との情報共有も可能になります。


[1]エビリファイ大塚製薬によって1988年に発見された日本発の抗精神病薬。

          2002年に統合失調症の治療薬として米国で承認され、その

          後に世界各国で広く使われるようになった。日本では2006

          から承認されている。


患者が処方通りに服用しないことには、

治療効果が上がらず病気の再発・悪化することに繋がります。

治療が長引き、医療費が膨らむという医療経済上も大きな問題です。

デジタル錠剤は、それらを防ぐだけでなく、

服薬の有無や服薬時間がなど、実際の服薬データが蓄積されれば、

患者目線の服薬改善や薬剤開発に繋がる可能性があるとされています。


世界初のデジタル薬、エビリファイマイサイトとは

https://yakuyomi.jp/manner_technique/第38回%E3%80%80世界初のデジタル薬、エビリファイ-マイ/


この他にも、

子供の発達障害を治療するゲームアプリや

うつ病の人に、前向きな感情を呼び起こすVRなども、

研究されているようです。



04 どんどん進んでる開発      


デジタル薬は、製薬会社、IT企業、その他いろいな会社が繋がって、

国境も越えて、協力しながら進められています。


詳しくは…

加速するDX…国内製薬業界 デジタル協業マップ

https://answers.ten-navi.com/pharmanews/19108/

製薬企業とデジタル治療スタートアップの提携一覧

https://note.com/aldock/n/n323607ad2610


テレビでCMしている大手の製薬会社だけでなく、

製薬のイメージが全くない、バンダイナムコ、NEC、第一生命などの

名前も見れます。



05 問題山積?           


いいことばかりじゃないのは、デジタル薬も同じです。





その1・・・患者の気持ち

 いつも、いつも、いつも、見張られているような気がする。

 大量の個人データを渡すことになるのは不安。


その2・・・評価をどうする?

 今までにないものは、過去のデータに基づく評価することができない。

 その上、随時アップデートされ、絶 えず性能が変化する可能性がある。

 有効性や安全性をどう評価すればいいか。

 妥当だと思われる価格は、どれくらいか。


実用化されれば、思わぬ問題がたくさん出てきそうです。

それでも、これだけの企業が参加して、開発しているから、

きっと素晴らしいものができるだろうと思います。



06 あらためて、デジタル薬とは   


もう一度、デジタル薬について、考えてみましょう。



錠剤や点滴などの『物質』ではなく、

  アプリからの「言葉」や「映像」で、患者の心や体に働きかけて、

  考え方や生活習慣を見直すよう促すような、

  感覚器官から取り込んだ『情報』が薬として作用するもの。

  あるいは、すでにある医薬品に情報技術を加えて、

  より効果的に治療するもの。


今までの薬では、どうしても解決できなかった

  「服用の管理」や「心への働きかけ」が、できるようになるもの。


デジタル薬は、紙のカルテが電子カルテに変化したような

  今まであったものから置き換わったのではなく、

  新しく登場した服用しない処方薬。


そういったもののようです。


「デジタル薬」という言葉は聞きなれないものですが、

脈拍を測ったり、睡眠状態を教えてくれるスマートウォッチは

普及しています。

すでに、AIを利用して健康管理をすることは、

珍しいことではなくなっているのかもしれません。


明後日、禁煙治療の「CureApp SC」が発売されることで、

いよいよ日本でも、デジタル薬が産声をあげることになります。

これから、どう進化して、どう世の中を変えていくのか、

私が利用する日が来るのか、来ないのか、

成長を見守りたいと思います。




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