献血に行ってみた
献血バスを見かけるようになったので、
先日、献血に行ってみた。
「献血」という仕組みが面白いと思ったので、
本日のネタは「献血」
01
こんなところに献血バス
私の行動範囲では、ほとんど見かけなかった献血バス。
それが、半年くらい前から時々止まっている。
コロナで献血バスが行き場を失ってるらしいので、
新たに来るようになったのかもしれない。
献血は、高校生の時に1回ある。
「献血車が来ます。みなさん協力しましょう」
「はぁーい」
ってくらいの軽い気持ちだったと思う。
献血手帳と、小さな紙パックのジュースをもらった記憶がある。
何十年ぶりかで、ちょっと献血してみてもいいかなと思った。
何か思いもよらなかった、発見があるかもしれない。
02.
献血前の質問攻め
献血バスの外に簡易テントがあって、机と椅子が並んでた。
受付で、まずは体温測定と手の消毒。
それから受付用紙に名前、住所、生年月日などを記入。
本人確認の証明書の提示を求められる。
2回目とはいうものの、間隔が空きすぎているので、
初回扱いになった。
献血についての説明書を読むように言われたり、
同意書にサインしろと言われたりした。
こんな同意書 ↓↓
https://www.jrc.or.jp/donation/pdf/douisetsumeishiyo_Vol4.pdf
「1.献血に伴う副作用について」・・・って、
いきなりびびらされた感じ、やばいところに来た?
逃げたくなった。
それから、タブレットで、いろいろ質問に答えた。
こんな感じの質問↓↓
https://www.jrc.or.jp/donation/pdf/ketsueki_monshinhyo_2018ver.pdf
身長、体重、病歴、いつも飲んでる薬、海外渡航歴、
歯の治療、ピアス、刺青、輸血や臓器移植を受けたことがあるか。
「エイズ検査が目的ですか」とか
「覚せい剤を使用しましたか」とか
YESとは答えにくい質問もあった。
手首に番号札を巻かれた。
番号は「13」、当日13人目ってことかなぁ。
平日の午後1時過ぎくらいに行った。1時間に3人くらい?
私と入れ違いに帰った人と、私が帰る時に入ってきた人もいたから、
1時間に3人くらい?
隣の席へ移るように促され、もさらに質問を受けた。
今日は何時にご飯食べたか。水分は取ってるか。
睡眠時間はどれくらいか。
採血とかで気分が悪くなったことはないか。
献血前に必ず飲むようにと、小さいペットボトルの飲み物を渡された。
何本飲んでもいいらしいが、1本だけにした。
小袋に入ったクッキーも、食べるようにと渡された。
血圧を測って、正常値。
指先に針を刺して、出てきた血液で、血液型を検査。
小さいプラスチックのへらで血液を拭って、試薬と混ぜる。
その間に、またにじんできた血液で、血液の濃度をチェック。
3回チェックされたと思うけど、あとひとつは忘れた。
無事、献血できる状態を確認されて、
ようやくバスの中へ行くように言われた。
ひとつひとつ、当然必要な確認だったけど、
長いなぁ、献血ってそんなに大変なことなんだと思った。
03.
バスの中でいよいよ
採血用のベッドが2つ縦に並んでた。
それぞれに一人ずつ係りの看護師さんがいる。
手前の方にどうぞと言われ、横になる。
平たんではなく頭と足が高くなっている。
うまく、体の位置が固定される感じだ。
ベッドの幅が狭いので、自然と横の台の上に腕を乗せることになる。
ここでも、消毒に使うヨードで、カブれたことはないか聞かれた。
両手を上に上げてしばらく待って、しびれたりしないか確認された。
シーフテストというらしい。
https://www.bs.jrc.or.jp/tkhr/aichi/donation/m2_01_02_entry-1809.html
10分くらいかかるとか、採血中の注意点とか、の説明を聞いて、
ようやく、私の腕に採血のための針が1回で刺さった。
(私の血管が細いらしく、採決で合計5回くらいやり直されたことがある)
針が刺さった瞬間は痛いに決まってるけど、
しばらくすると、気にならなくなった。
にぎるものを渡されて、ゆっくり右手の指を開いたり閉じたりする。
足を組んで足の運動もするように言われた。
気分が悪くなったり、めまいなどを予防できるらしい。
レッグクロス運動(下肢筋緊張運動)
https://www.bs.jrc.or.jp/csk/hiroshima/2016/03/post.html
採血の間は、ずっと係りの看護師さんがいろいろ話しかけてくる。
献血した分は、ゆっくり回復していくこと。
1回献血したら、半年はできないこと。
献血後は、休憩すること。水分を取ること。
運動は控えること。
シャワーを浴びたりするのは、2時間くらい後にすること。
穏やかに話しているけど、緊張感がある。
私に、何か異常が出ないか、見張っている感じだった。
それとも、この仕事始めて日が浅い看護師さんで緊張してるのかなw
05.
献血の後は
無事、400mlの血液が採血バッグに収まり、
針を抜いた傷口を塞ぐために、大きな止血用の絆創膏が貼られ
さらにその上から包帯が巻かれた。
なんて、バカ丁寧w
針跡はあざのようになっても数日でなくなるなどの説明きいて、
再び血圧測定、異常なし。
ゆっくり立ち上がって、異常なし。
バスを降りたら、休憩。再びペットボトルの飲み物をもらう。
その場で飲むように言われ、1本飲み干した。
それから、新しい献血カードのほか、
帰ってから異常があった時の連絡先などのチラシをもらって、
さらに、ボールペンと、カップラーメンと、サランラップをもらって、
ようやく解放された。
品物は、ライオンズクラブなどの
献血を支援しているところからのものらしい。
帰りの途中でスーパーで、ちょっと買い物をして
5キロくらいの荷物が増えた。
それを持って、マンションの階段を上っていたら、
なんだか気分が悪くなった。
家に入って荷物を置いて、しばらく座っていたら、回復。
「献血後は、運動は控える」ってことを思い出したw
06.
献血カード
献血カードが変わってた。
大きさは半分、文字は手書きから印字に変わって、
親切にも、次回献血できる日付が書いてある。
このカードがあれば、
次回からは、受付がもう少し簡単になるらしい。
07.
血液のゆくえ
集められた血液は、血液センターへ行き、
輸血できる血液か検査をして、血液成分ごとに分けられる。
輸血は、血液全部を使うことは少なく、
必要な成分だけを使うことが主流になっている。
<輸血用>
集められた血液は、いきなり翌日に使われることもあるようだが、
いつでも輸血できるように、一定期間、保管される。
・赤血球 保存温度 2〜6℃
採決後 21日間
・血漿 保存温度 -20℃以下
採決後 一年間
・血小板 保存温度 20〜24℃
採決後 4日間 要震とう
・全血 保存温度 2〜6℃
採決後 21日間
<研究用>
集められた血液のうち、不適合の血液や期限切れの血液が
新薬開発やその他いろいろな研究に利用されている。
https://www.jrc.or.jp/donation/blood/research/
血液センターを見学している動画があった。
【献血】献血した血はいったいどこへ?~血液センター見学へ!
https://www.youtube.com/watch?v=Le-Mf5bhLGQ
08.
輸血と献血の歴史
ここでさらっと輸血と献血の歴史
1667年 Denis ドニ 人間に対する輸血として認められている
最初の輸血を行う。
貧血と高熱のある青年に半パイント(約225mL)の
小羊の血液を輸血しました。
この輸血で青年は顕著な回復をみた。
1818年 Blundell ブランデル ガン患者に人間の血液を輸血・・・失敗
1825年 出産時の失血で死に瀕した婦人に輸血・・・成功
1900年 Landsteiner ラントシュタイナー ABO血液型を発見
人間同士の血液でも、混ぜ合わせると
血球の凝集が起こる場合がある。
1937年 世界初の血液銀行を設立
アメリカの医師Fantus ファンタスが、
シカゴにあるCook County病院内に設立したもの。
1952年 日本初の血液銀行(現赤十字血液センター)が出来る。
同時期に民間の商業血液銀行も生まれ人々から
血液を買い取るようになる。
1964年 ライシャワー(E. Reishauer)駐日米国大使が、
輸血により輸血後肝炎を発症する。
政府は、輸血用血液は献血により確保することを閣議決定。
全国各地に赤十字血液センターの開設が進められる。
1974年 日本は100%献血による保存血液の確保を達成した。
1980年代 非加熱製剤の使用による薬害エイズ事件が発生。
1986年 400ml献血および成分採血を導入
1995年 問診票の全国統一
1999年 献血可能年齢を64歳から69歳に変更
2005年 法改正で「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律
(血液法)」と名称を変更。大きく改正され、
献血事業の主導権は日本赤十字社から厚生労働省に移った。
09.
献血キャラ
たぶん、献血に関心や親しみを持ってもらうために、
献血にもゆるキャラがいる。
「けんけつちゃん」
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/iyaku/kenketsugo/5a/
可愛いのはいいけど、絵描き歌とか体操とか、子供向き?
将来、献血しようと思うようにするのが目的?
そして、やっぱりあった「ご当地けんけつちゃん」
https://www.bs.jrc.or.jp/kk/hyogo/special/m6_03_06_kisekae.html
献血できる年齢の若者の気を引きたいようで
人気者といろいろコラボして、
期間限定、地域限定のノベルティーを作っている。
10.
献血Web会員サービス
「ラブラッド」
ゆるキャラがあるならアプリもありそうと思ったけど、
Web会員サービスだけでした。
献血Web会員サービス「ラブラッド」
https://www.jrc.or.jp/donation/club/
会員になると
全国の献血会場(一部を除く)のWeb予約が可能になります
ポイントを貯めて記念品と交換できます
血液の検査結果等を含む献血記録が献血後数日でWebにて確認できます
※会員になられた方は検査結果通知はがきの発送を停止します。
従来どおり発送をご希望する場合は受付スタッフまでお知らせください。
過去の献血記録が確認できます(平成17年4月以降)
会員限定オリジナルデザインの献血カードに交換できます
メールやLINEで会員限定のお知らせやご案内、献血の依頼等が届きます
(次回献 血可能日、イベント、キャンペーン情報、「献血のお願い」など)
住所変更のお手続きがWeb上で可能になります
11.
偶然見つけたテレビ番組
6月18日の放送
ドキュメント72時間 「私が献血ルームに来た理由」
https://www.nhk.jp/p/72hours/ts/W3W8WRN8M3/episode/te/L5ZVLN24VN/
12.
献血してわかったこと
・そう簡単には献血できない。やたらとチェック項目がある。
・献血前、献血中だけでなく、献血の後のフォローまで考えられている。
・この慎重さは多くの問題が発生して、
それを1つ1つ解決していった結果なのだろうと思った。
・本格的に献血という仕組みが定着したのは、
60年くらい前のことでわりと新しい。
・献血で集められた血液は、無駄なく研究用にも使われている。
・献血はPRのために、いろんなノベルティーを作ってる。
・各都道府県ごとに、献血センターのサイトがあり、内容が少しずつ違う。
・また10年後くらいに行ってもいいかなと思う。
10年後にどんな変化があるのか見てみたい。
人工血液が普及して、献血はなくなってるかもしれないけど^^
献血について 日本赤十字社
https://www.jrc.or.jp/donation/
□□□ 補 足 □□□
献血後の回復にかかる時間
献血後の血液の量は、
・水分を摂ることで3~4時間で回復する。
血液の成分が回復する速さは、
その成分や個人差によって異なるものの、目安として、
・血しょうの成分は約2日、
・血小板の成分が4日~5日、
・赤血球は14日~21日
400ml分血液が少なくなれば、
心拍出量(ほぼ心拍数)が、その分増加して、
循環している血液流量と酸素運搬能力は、おぎなわれる。
献血できるまでの期間
400mlで
男性 12週間後
女性 16週間後の同じ曜日から
その他、年間の採血量、年間の採決回数も決められていて、
回復期間が過ぎたらからといって、
どんどん献血できるわけではない。
献血基準
https://www.bs.jrc.or.jp/tkhr/aichi/donation/files/kijun_aichi_20200901.pdf
□□□ 蛇 足 □□□
ずっと考えていたことがある。
献血って身の回りの人に、薦められるか否か。
人助けのために、
いつか自分が助けてもらうことになるだろうから
献血に行ったほうがいい。
けど、献血したくても、できない人がいるから、
むやみに薦めるものではない。
献血にはリスクがある。
実際、私は献血した日に、ちょっと重いものを持って
いつものように階段を上ったら、気分が悪くなった。
急に極端な症状が出たら、階段を転げ落ちてた。
それから4日くらい、なんか変だった。
自転車をこぐ足に、いつも通りの力が入らない。
人と喋ってて、考えがまとまらないw
こんなこと、大した出来事ではないけど、
もし、その後の人生を左右するような
お見合いの日取りが決まっているとか、
楽しい旅行に行くつもりだとか、
近々、絶対に失敗したくない予定があるなら、
献血には行かないほうがいい。
献血に行く前は、気楽に考えていた。
ちょっと空いた時間に、気軽に行けばいいと思ってた。
けど、
400mlの血液が減るってことは、
体力が、元気が減るってことのようだから、
回復までの数日の間は静養の必要。
体力的にも、精神的にも、時間的にも、
余裕のあるときに、行くほうがいい。
薦めるか否かの答えは
「体力と時間に余裕があるときに、気が向けば
1回くらい話のネタになるし、献血するのもいいよ。」
結論
「将来、私が輸血を必要としたときに、
献血制度が崩壊していたら、困るから、
みんな献血に行こう!」
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